所在地　　境港市外江町２８３６番地
　　指　定　　　平成4年6月10日
　　種　別　　　有形文化財（彫刻）
　　所有者　　補岩寺

　左記の阿弥陀堂の建物は、古式の建築様式を伝えており、古仏を祀るにふさわしい堂である。正面の厨子の中に阿弥陀如来座像と毘沙門天像が祀られている。

　毘沙門天像は、像高１０６センチメートルの一木造で、平安時代後期のものと推定される。右足を少し上げてやや左を向いた姿から、現在は失われているが、もとは邪鬼を踏んで右手に武器を持ち、左手に宝塔を捧げた姿であったと考えられる。像の右側が黒く焦げており、いつの時代か火災に遭難されたであろう古い歴史がしのばれる。

　毘沙門天は、庶民信仰の上では福徳をもたらす「七福神」の一神として、とくに近世中期以降人々の信仰をあつめている。阿弥陀堂は、左記のとおりに年に二回御開帳されるが、その日は「福木」も出て、遠近の参拝客でにぎわう。