山陰・鳥取県 境港市(さかいみなとし)は鬼太郎をはじめとする妖怪と、サバ、アジ、カニなどのお魚が いっぱいのまち
【市】13.清水町のこしき・かまど・土器群●発行・問● 境港市教育委員会 TEL 0859-44-2111
市指定文化財
13.清水町のこしき・かまど・土器群 所在地 境港市中野町
指 定 平成4年6月10日 種 別 有形文化財(考古資料) 所有者 佐々木 謙 昭和25年12月、市内清水町矢尻川附近の地下2メートルの砂層から検出された古墳時代後期の遺物である。 甑(コシキ)、釜(カマ)、竈(カマド)の三品がそろっているのは珍しく、古代人の生活や生業を知る上で貴重な資料である。 土師器の竈の上に須恵器の釜が載り、その上に下部に蒸気穴のある甑を置く蒸し器のセットである。釜の底部は黒く焼けた跡がある。この三点を組み立てた高さは約80センチである。 土師器は、弥生式土器の流れをくむ黄褐色または赤褐色の土器で、整形された粘土素地を大気中の酸化焔で焼成されるため、多孔質で硬化の度合いは低い。これに対し、須恵器は半密閉の竈の還元焔で、時間をかけて焼かれるので、陶器に近い硬さをもつ帯青灰色の土器である。祭祀供献の器が多く、祝部土器ともいわれる。朝鮮半島南部から伝来の技法で、百済、新羅からの渡来の帰化工人の手になるものといわれる。轆轤を使うなど製法技術は土師器より高度である。同じ場所から須恵器の甕(カメ)、横瓶、高坏(タカツキ)、長頚壺なども多数出土している。 これらの土器が出土した清水地区は、弓浜地区でも古くから開けた土地で、豊富な地下水脈があり、湧水もあって、耕地も開発され、周辺に広く散在する土器片含地の分布などから、かなり成熟した村落や住居が各地に成立していたと考えられる。 この地区を囲続して多くの遺跡が分布している。北灘、西灘の縄文水底遺跡。お立山や麦垣の弥生遺跡。また対岸島根半島の沿岸部には、池尻、崎が鼻、権現山、小浜などの縄文遺跡が連環し、この地域一帯が縄文時代以来、継続的に発達してきた一連の古代文化圏を形成していたことを示唆している。
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掲載者 | 姫 |